大島小学校

大島小学校

2012年2月27日月曜日

校長室から 3月号

子供たちの成長を
                    小原美弥子

 2月初旬の大雪には,大変驚かされました。例年はほとんど積雪のないこの大島で,一晩で50㎝以上の積雪となりました。人も車も身動きのとれない状態となり,通学路の確保が難しく,学校も臨時休業をせざるを得ない状態となりました。しかしながら,地域・保護者の皆様のお力で通学路をしっかりと除雪していただき,次の日には安全に下校することが出来ました。本当にありがとうございました。しばらくは,除雪に明け暮れる日が続きましたが,三寒四温,少しずつ寒さもゆるむ日が増えてきたようでありがたいです。

 さて,2月号の学校だよりでお知らせした林成之さんの「脳に悪い7つの習慣」について,もう少し説明をしたいと思います。
なぜ,「言われたことをコツコツやること」が脳にとって悪いのか。
それは,「コツコツ」には「失敗しないように慎重に進めよう」という意識が隠れているからです。「失敗しないように」という考えは,「失敗するかもしれない」と考えと表裏一体のもので,脳には「否定語」となってしまうそうです。「慎重に一歩一歩」とゆっくり物事を進めていると,どうしても集中力が落ち,また,完成が近づいたときには「そろそろ終わりだな」と考えてしまいます。大きな課題をやり遂げようとする,スポーツで勝負に勝とうとするといった場面で達成率を上げるには,全力投球が必要です。「どう達成するか」など達成の仕方を追求し,最後の詰めに執着することで,脳は持てる才能を最大限に発揮できるようになるそうです。また,脳は「自分からやる」といった主体性をもって,考えたり行動したりしないと機能しないそうです。「先生に言われたから…」というようなことでは,物事が「理解」できても「思考」が働かないのだそうです。
次に,なぜ「効率を重視してはいけないのか」。
人間の思考とは,繰り返し考えることによって高まるものだからです。すばらしい考え…独創的なアイデアや新たな発見は,何度も何度も思考することによって生まれます。最近は,効率性が過剰に重視され,繰り返し考えることや吟味することを無駄と考える風潮が見られるようですが,効率だけを求めていては,独創性は生まれない。特に,子どもたちには,時間をかけて繰り返し考える習慣をつけさせることが非常に重要であると林先生は言っています。
 「やりたくないのに,我慢して勉強する」のは脳によくない。
 では,勉強しなくてよい…などということはありません。記憶力を高めるには,「人に言われたから」ではなく「自分から」覚えようとしなければならないことはいうまでもありません。好きなこと,感動したこと,主体的に取り組んだこと,心を込めたことは記憶に深く残ります。一方,「我慢して勉強している」状態では,どんなに頑張っても脳がもっている記憶力は働かないということです。

今年度,学校では,子どもたちが「興味をもち,好きになり,おもしろいと思って学習に取り組めるように」「人の話に耳を傾けることができるように」様々な活動を行ってきました。それに向かって頑張る子どもたちの姿はすばらしく,この一年の成長には目をみはるものがありました。
授業の始まり,給食や掃除の始まりの時間がしっかり守れましたし,学期初めの漢字や計算のテストも粘り強く取り組みました。自分たちで考え行動することも増えてきました。先日は,児童会代表があいさつ運動に取り組みました。おかげで前より明るい挨拶の声が響きあいました。
3月は,学年の締めくくりの月です。最後の締めくくりをしっかり行いたいです。

最後になりましたが,保護者・地域の皆様には,この一年間,大変お世話になりました。おかげをもちまして,子どもたちはいろいろな経験を重ね,大きく成長することができたと思います。本当に感謝いたします。ありがとうございました。