大島小学校

大島小学校

2012年1月31日火曜日

校長室から 2月号

伸びる

                 小原 美弥子

 1月の中旬から雪となりました。辺りがふんわりとした雪に包まれ,美しい景色に見とれるほどでした。下旬になると,思いの外の大雪となり通学も一苦労です。こんな雪の日には,金子みすゞの詩を思い出します。26歳での短い生涯を終えたみすゞですが,愛情深く,平易な言葉とリズムの詩は多くの人に愛されています。雪国に住む自分にとって,雪をこのように思いやることはありませんでしたが,名もなきものに対する温かく優しいまなざしに感動します。
「つもった雪」 金子みすゞ 
上の雪 
さむかろな。
つめたい月がさしていて。
下の雪 
重かろな。 
何百人ものせていて。
中の雪 
さみしかろな。 
空も地面もみえないで。

 ところで,雪を見て「美しい」と感じたり,みすゞの詩を読んで感動したりすることは「脳」にとって非常に大切なことだそうです。このことについて,林成之さんは「脳に悪い7つの習慣」という著書で次のように書いています。
 ~人が五感から得た情報を脳はどのように取り込んでいくのかというと,まず,目から入った情報は,「A10神経群」と呼ばれる部分に到達する。そこは「危機感」「好き嫌い」「言語・表情」「意欲や自律神経」をつかさどるものが集まった部分で,ここで生まれるのが「感情」である。「A10神経群」は,情報に対して「好きだ」「嫌いだ」と感情のレッテルをはる。その情報が,次の部分に入り,自分にとってプラスの情報であると,さらに自分にとってためになる価値あるものにするために,次の部分に持ち込まれる。このような流れを作りながら,脳は考える機能を生み出す。~
このような脳の仕組みから,脳をダメにする習慣が見えてくるそうです。脳にとって,素直に感動することは非常に大切で,気持ちを動かすことができると,判断力と理解力が高まる,つまり「感動する力」は脳をレベルアップするということだそうです。「素直で前向きな性格を鍛え,損得抜きで全力投球する習慣」を身につけさせることが「文武両脳」のスイッチをオンにしてくれるそうです。

さて,この「脳に悪い習慣」とは,①「興味がない」と物事をさけることが多い,②「嫌だ」「疲れた」とグチを言う,③言われたことをコツコツやる,④常に効率を考えている,⑤やりたくないのに,我慢して勉強する,⑥スポーツや絵などの興味がない,⑦めったに人をほめない,の7つです。これらをやめるだけで頭の働きが倍増するそうです。
林先生は,「人に興味をもち,好きになり,心を伝え合って生きていく。違いを認めて,共に生きる」ことこそが,脳が望んでいると結んでいます。学年のまとめの時期です。子どもたちが,十分に自分の力を発揮できるよう,力を尽くしていきます。

2月は「如月」。語源によると,寒さがつのり着物をさらに着重ねる月であるので「衣更着=キサラギ」という説が有力だそうです。まだまだ寒い日が続きます。健康に注意してこの冬を乗り切ってほしいです。