~支え合う心で~
10月に入りました。残暑厳しい9月の最後は大型の台風となりました。幸いなことに進路は逸れ,台風は駆け足で通り過ぎていきましたが,大雨に町内でも一時冠水したところがあったようです。皆様のところは大丈夫でしたでしょうか。
さて,9月は体育大会という大きな行事からスタートし,地域・保護者の皆様には多くの御協力を賜り大変感謝しております。本当にありがとうございました。6年生を中心とした児童たちも精一杯の頑張りを見せてくれました。児童にとっても充実した体育大会となったように思います。
この体育大会の競技の中で,私が心惹かれたものの一つは4・5・6年生が行った組体操でした。随分以前から続いており,高学年児童にとっては恒例の(しかし緊張にどきどきする)組体操。一人技から二人技,三人技…と,どんどん複数での技が繰り広げられていきます。
ピラミッドの最後に『インフィニティ』という技が披露されました。これは,4・5・6年生全員で作る5段のタワーです。インフィニティとは無限とか無限大という意味ですが,何段にも重なり大空に伸びていく児童の力強さを感じる技です。
一番上に乗る人は高いところに登ります。ですから落ちたら大変です。上に乗る人は,高くてきっと恐ろしいと思いますが,下の人が支えてくれると信じて踏ん張っています。一番下の人は,膝に石が食い込んでとても痛いと思います。けれども,それを我慢しながら上の人たちを支えています。そして,中段にいる人は,自分が崩れると上の人が落ちて怪我をさせてしまうかもしれないし,下の人を押しつぶしてしまうかもしれません。バランスの悪い中でしっかりと踏ん張って支えています。乗る人も乗せる人もそれぞれを思いやり,支え合ってこの技を完成させているのです。そして,誰一人欠けてもこの技は完成しません。技が完成するまで,一人一人が厳しい練習に打ち克ち,強いからだと粘り強い心を作り上げてきたというわけです。児童の積み重ねてきた努力と信頼,支え合う心を思い,組体操に大きな拍手を送りました。
体育大会の練習中に,ある女の子に「組体操,頑張っていますね。素晴らしいね。」と声をかけました。するとその子は,「波はどうでしたか。そろえるところが難しいのです。」と答えました。みんなの心が一つにならないと成功しない,美しく見えないということでしょう。その子の中には,自分だけでなく『仲間』が存在しているということです。とてもうれしくなりました。
一人一人が心と体を鍛えるだけでなく,みんなで支え合って一つのものを作り上げることは,出きた喜びを何倍にも大きなものにし,仲間との絆を強くしていきます。
2学期はこれからも,地引き網体験学習,音楽会など大きな行事が続きます。支え合い,さらに絆を深めていってほしいと願っています。