「自分を磨く」
1学期が終わろうとしています。今日は,夏休みを前に,みなさん一人ひとりに1学期の勉強や生活を振り返り,より良い夏休みにしてほしいという思いを込めて「自分を磨(みが)く」ということについてお話します。
皆さんの家の台所には包丁や果物ナイフがありますね。包丁やナイフは,鉄を真っ赤になるまで熱してハンマーで力いっぱい何回もたたいて包丁やナイフの形にします。ハンマーで力いっぱい何回もたたくことによって,鉄を丈夫に,強くすることができます。最後に,表面を磨いて,ピカピカの包丁やナイフに完成させます。
新品の包丁やナイフは良く切れますが,長い間手入れをしていないと,表面に錆(さび)ができます。「錆」とは,包丁やナイフといった金属でできている物の表面にできた病気です。放っておくと,病気,つまり錆が金属の中まで入り込み,金属をボロボロにしてしまいます。ピカピカだった包丁やナイフは,汚い赤色になって使い物にならなくなるのです。
逆に,包丁やナイフを砥石(といし)という石で細目に磨いておくと,錆ができにくくなり,いつまでもピカピカのままでいて,いつまでも切れ味のよい包丁やナイフであり続けます。
さて,包丁やナイフを,私たちに置き換えてみましょう。
私たちは,勉強やスポーツなどがうまくいかない時,ついつい人のせいにすることがあります。しかし,よく考えてみると,自分が一生懸命にやっていなかったり,コツコツしないせいで失敗したり,うまくいかなかったりすることに気付きます。
うまくいかない原因は,先程言った包丁やナイフにできた「錆」と同じです。私たち自身にできた「錆」を取り除くためには,私たち自身を私たち自身で磨かなくてはなりません。
それでは,「私たち自身を私たち自身で磨く」こととは一体何なのでしょう?
それは毎日一生懸命学習や活動に取り組んだり,友達と仲良く協力し合ったり話し合ったりすることです。「一生懸命やる」・「友達と協力し合う」ことが,自分自身を磨いたり,キラキラと輝かせたりするのです。同時に,友達を磨いたり,キラキラと輝かせたりするのです。
友達と仲良くしたり,勉強を頑張ったり,本をたくさん読んだりして,錆ることにない自分自身を作っていってください。