大島小学校

大島小学校

2012年9月3日月曜日

校長室から 9月号

 ~ 2学期スタート 

 2学期がスタートしました。猛暑の夏を乗り越えた元気な児童の声が,校内に響き渡り,とてもうれしく感じます。やはり元気な子供たちが学校を活気づけてくれます。

 今年の夏は,気温だけでなくオリンピックでも燃えて,暑い熱い夏となりました。
 このイギリスで行われたオリンピックでは,世界各国のたくさんの選手が競い合い,私たちにたくさんの感動を残してくれました。日本の選手もとても頑張っていました。この日のために,選手たちは苦しい練習に励み,必死で頑張ったことでしょう。良い結果を出せて喜びに溢れる選手もいれば,結果が出せずくやしさや悲しさに押しつぶされそうな選手もいましたが,私たちは,勝った選手からも負けた選手からも,大きな感動をもらいました。心から「ありがとう」と言いたいです。

中でも,私の心を打ったのは女子バレーボールです。試合が終わったコートの中で,13番のユニフォームをもって写真を撮っている選手がいました。オリンピックバレーボールの登録メンバーは最大12人で,13番目の選手は,登録選手にアクシデントが起こった際に入る選手だそうです。ロンドンに来ていながら,コートに立つことができない選手ということです。その選手のことを想い,ユニフォームを掲げたようです。女子バレーは国内の試合から,控えのメンバーも含めて非常に一体感を深めながら戦ってきたそうです。試合に出られない控えメンバーは内心悔しい思いがあるはずですが,そういった感情はおくびにも出さず,ベンチやコート外から大きな声援を送っていたそうです。オリンピックでの銅メダルは,こういったロンドンに来られなかった選手たちやコーチなどの多くの人に支えられて獲得できたものなのです。だからこそ,12名の選手たちは口々に皆,感謝の言葉を言っていたのでしょう。『絆』というのは,人と人がつながって出きると改めて感じさせられました。


朝やけ小やけだ
大漁だ
  大ばいわしの
大漁だ

  はまは祭りの
  ようだけど
  海のなかでは
  何万の
 
  いわしのとむらい
  するだろう


白熱した試合と感動を与えてくれた選手たちに心から拍手を送りたいです。そして,日本の人たちが心を一つにして「がんばれ」と応援できたことを喜び,選手たちに「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えたいです。

 さて,右は金子みすゞさんの『大漁』という詩です。1連では大漁を喜ぶ人たちの姿が力強く歌われています。けれども2連ではそんな浜の様子を別の世界から見つめている詩人の目があります。最後の3連はたった2行ですが,ハッと鋭く心に迫ってくる力を感じます。一つの出来事,場面であっても,そこには様々な立場の人がいて,いろいろなことを考えたり感じたりしています。金子さんの詩は,私たちに「自分のことだけでなく,相手の人,周りの人のことを考えて生きなさい」と教えてくれています。

 全国では,いじめの問題が大きく取り上げられています。
大島小学校の子供たちには,バレーボール女子のように,また金子みすゞさんのように,『周りのことや他の人たちの気持ちが想像できる人』になってほしいです。
2学期は,多くの行事が予定されていますが,それらを通して『人を思いやる心』を育んでいきたいです。そして,『苦しい思い・悲しい思い』をする子がないよう全力で取り組んでいきます。

地域の皆様,保護者の皆様の御協力を,どうぞよろしくお願いいたします。