『自ら勝つ者は強し』
今日は,『自ら勝つ者は強し』というお話をします。これは中国の古い時代の先生で,老子という人の言葉です。老子は,自分の考えをまとめた本の中で「人に勝つ者は力有るも,自ら勝つ者は強し」と述べています。「他の人を打ち負かす人は,その人より確かに強い。しかし,自分自身の弱い心に勝てる人こそ本当に強い人である」という意味です。
皆さんは弱い気持ちに負けそうになったことはありませんか。私は60年近く生きてきたので,弱い気持ちに負けそうになったことはたくさんありました。例えば,「僕は太っているので運動ができないからだめだ。」,「人との競争に負けている。」,「今は何をやってもうまくいかないな!」,「自分はどうしてこんなに不幸なんだろう。」と,先が見えない気持ちになったことはたくさんありました。そんな気持ちになった時は,勉強や仕事に集中できなくなり,ふてくされてしまいました。
でも,こんな私ですが,弱い自分自身を押し殺して前へ前へと進ませてくれた言葉を二つ持っています。それは,「私は負けない。」と「我慢が生きる力を育てる。」という言葉です。
最初の「私は負けない。」という言葉について簡単にお話しします。後二分くらいでお話が終わるので,集中して聞いてください。
自分に負けることは,自分自身に限界の壁を作ることです。それでは壁を乗り越えることはできません。例えば,先程表彰した校内マラソン大会で,「どうせ自分は走るのが遅いから,去年の自己記録を超えることなんてできない。」と,弱い自分自身に負けてしまって,練習をサボったり当日一所懸命に走らなかったりして,去年の自己記録という「壁」を乗り越えようとしなかったことを例に挙げることができます。私が校内マラソン大会の開会式にお話ししましたように,「マラソンは自分との戦い」です。これは人生にも言えます。「人生は弱い自分自身との戦い」です。人生の競争相手は決して他の人ではなく,自分自身であること。自分自身に勝ってこそ本当にたくましい人に近づいていくことをどうか忘れないでください。そのためにも,具体的に自分の目標を立てて,その達成に努力していってください。
二学期も実質,あと一ヶ月です。六年生は,実質,あと三ヶ月で卒業し中学生となります。自分の目標を達成するために校長先生や担任の先生方と一緒に努力し続けましょう。
『自ら勝つ者は強し』という言葉を忘れないでください。