~まとめの時期に~
学校では,様々な体験を通して子供たちの学ぶ力を育てています。
6月も校外見学(給食センターやエコターミナル見学)やへしこ作りなど,様々な体験学習が行われました。なかでも,26日に行われたサイエンスカーの実験は,子供たちにとっても,大変楽しい学習となったようです。
当日は,教育研究所科学情報課の4名の先生方に教えていただき,低学年は「ゴムの力で飛ばすおもちゃ」と「ストローで吹いて遊ぶおもちゃ」を作りました。吹く息の加減やゴムのひく力について,楽しみながら学べました。また,中学年は「科学マジック」と「超低温の世界」について,高学年は同じく「超低温の世界」と「人工雪作り」の実験を行いました。特に,液体窒素を使った「超低温の世界」の実験では,ふわふわのビニルボールがカチカチになり,床に落とすと割れてしまったり,ふくらませた風船が,しぼんでまたもとのようにふくらんでいったりする様子を実験で確かめました。バナナで釘が打てるという実験も行いました。
普段出来ない活動で,どの子もとても興味をもって学習することが出きました。
けれども,ただ,体験できて楽しかっただけではなく,「なぜ」「どうして」と考えることが大切です。
また,日ごろから,身近な生活の中でも常に「なぜかな?どうしてこうなるのかな?」と考えることが大事だと思います。様々な体験活動を通して,子供たちが自ら考え行動できる力をしっかりと育てていきたいと思います。
さて,7月に入り,1学期もあと20日間となりました。まとめの時期となり,漢字や計算のまとめテストなども行われます。夏休みも目前で,子供たちの気持ちは,少しうきうきしているかも知れませんが,しっかりとまとめをして力をつけてほしいです。
ところで,昨年4月のPTA総会で『むごい教育』という話をさせていただいたことを覚えておられるでしょうか。
――戦国時代。
今川義元は,竹千代(後の徳川家康)を人質にとり,家来に対して「竹千代にはむごい教育をせよ」と命じたそうです。義元の考え(意味)を知らない家来は,竹千代に粗末な食事を与え,ほとんど休みなしで武術を教え込む生活をさせました。
しかし,これを聞いた義元は大変怒って言いました。「人質の竹千代には,朝から晩まで海の幸や山の幸溢れる贅沢な御馳走を,好きなだけ与えてやれ。寝たいといったらいつまでもいくらでも寝かせてやれ。夏は暑くないように,冬は寒くないようにしてやれ。学問が嫌だと言うならばやらせるな。何事も,好き勝手にさせたらよい。」と。
そして,最後に,「そのようにすれば,人間はダメになるから。」と今川義元は言ったそうです。―――
まさにその通りですね。ここで言う竹千代と今川義元の関係を,子供と教師・子供と親に置き換えても同じことではないでしょうか。
今川義元の言う『むごい教育』とは,甘やかすことや叱らないことであり,それはとても非情であるということ。これでは,感謝する心や乗り越える力が身に付きません。
甘やかさないこと,相手を想って叱ること,あえて苦労をさせることが『真の教育』であり,愛情・優しさではないでしょうか。苦労するチャンスやきっかけを与え、失敗する過程で人は育つのです。
学校では,『真の教育』をめざして取り組んでいきます。皆様のさらなる御協力と御支援を,よろしくお願いいたします。